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椎間板嚢腫

韓方・西洋医学の統合治療で椎間板嚢腫の吸収・痛みの好転症例が報告される

椎間板嚢腫

椎間板嚢腫(Discal cyst)は比較的稀な疾患であるため、症状だけでは他の疾患と区別することは難しいです。椎間板嚢腫の症状は椎間板ヘルニアと似ていて、MRI検査で診断できます。 椎間板嚢腫 は、2001年に病気の定義が確立されたため、椎間板嚢腫を認知している患者も多くありません。椎間板嚢腫は事例があまり無く、現在まで手術∙無手術治療法を用いた症例報告研究が主をなしています。また、従来の椎間板嚢腫に対する人口学的特性を調査した研究も、既に論文に発表された症例を収集したものであるため、情報が不十分です。

 

 

このような状況で、自生医療財団・脊椎関節研究所が、韓方・西洋医学の無手術統合治療を介して椎間板嚢腫が自然吸収(Spontaneous regression)された症例報告と椎間板嚢腫の人口学的特性を研究した論文をSCI(E)級の国際学術誌「Medicine(IF = 1.870)」7月号に掲載しました。

 

まず、研究チームは、韓方・西洋医学の無手術統合治療を介して、椎間板嚢腫が3ヶ月で吸収された事例を論文で報告しました。この患者は31歳の女性で、痛みの尺度(Numeral Rating Scale、NRS。 痛みの程度を0から10までの数字で表す尺度)8点ほどの腰痛を訴えました。初診当時、患者が感じる痛みは、出産時に感じる痛み(NRS 7〜7.5点)よりも高かったです。

 

 

患者は、来院される前に理学療法と鎮痛剤などの治療を受けましたが、好転せず、自生韓方病院に来院して腰椎MRI検査を行った結果、左側の仙骨神経(S1)を圧迫する椎間板嚢腫があると診断されました。患者は24日間の入院治療を受けた後、70日間16回に渡って外来治療を受けました。治療はチュナ矯正手技と鍼、薬鍼、韓方薬、カッピングなどの韓方統合治療と、理学療法、徒手治療などの西洋医学の治療を並行しました。

 

 

医療スタッフは、韓方・西洋医学の無手術統合治療の効果を調べるために、治療開始後1・3ヶ月になる時点で、腰椎MRI検査を行い、椎間板嚢腫の状態を確認しました。また、患者が入院している間に週1回、治療開始後2・3・6ヶ月になる時点でNRS、機能障害指数(Oswestry Disability Index、ODI)、生活の質の評価(EQ-5D)、恐怖-回避反応アンケート(Fear-Avoidance Beliefs Questionnaire、FABQ)で患者の状態を多角的に評価しました。

 

椎間板嚢腫

 

 

その結果、韓方・西洋医学の無手術統合治療を実施して36日目、1次評価の時点で(画像的にも有意な)椎間板嚢腫が吸収したことを確認し、99日目の2次評価では、椎間板嚢腫が完全に吸収されたこが分かりました。患者が感じる腰痛と放射痛は、最初NRS8点だった数値が、治療の1か月後にはNRS1点まで落ちて、3ヶ月後には、NRS0点まで減少され、痛みが完全にない状態まで至りました。

 

 

日常生活と業務活動に対するアンケート(FABQ)でも、治療2ヶ月後からは数値が6点から1点まで、そして8点から2点まで減少されました。椎間板嚢腫が吸収したことにより痛みも軽減され、日常生活に感じる障害が有意に解消されたのです。

 

椎間板嚢腫

 

研究チームは、椎間板嚢腫の韓方・西洋医学の無手術統合治療の効果症例報告にとどまらず、従来の椎間板嚢腫患者の人口学的調査も実施しました。2012年1月から2016年12月まで、江南・富川・大田・海雲台自生韓方病院で腰椎∙頚椎∙脊椎全体(頸椎~腰椎)MRIの検査結果4万8,564件(頚椎MRI 1万6,999件、腰椎MRI 31万565件)を対象に、椎間板嚢腫と診断された患者の人口学的特徴を調査しました。

 

調査の結果、頚椎椎間板では椎間板嚢腫が発生せず、腰椎椎間板では約0.1%という発生率を確認しました。また、発生位置は腰椎4番と5番の間にある椎間板が全体の45.1%で最も多かったです。平均年齢は40.52±11.81歳で、性比は男性65%、女性35%でした。主に腰椎4番と5番の間で発生するということは、従来の論文と同様でしたが、性比では、女性の椎間板嚢腫患者が9%に過ぎないという従来の論文とは違いがありました。今回の研究を通じて、椎間板嚢腫患者の中には、女性の割合も少なくないということが確認できました。また、椎間板嚢腫が頚椎MRIで一件も発見されなかったことと、直接的な痛みの原因として考えられない椎間板嚢腫が約42%に至るということは、従来の研究とは違いがありました。

 

研究を行った自生韓方病院のチェ・フィスン院長は「椎間板嚢腫による激しい痛みと、放射痛に悩む患者は、手術を決める前に韓方・西洋医学の統合治療を考慮して欲しい」と述べました。